【陣内碩泰 太良町教育長】
1.平成23年度の瑞兆

平成23年度が始まった513日、大浦中3年生が関西方面への修学旅行に出発しました。伊丹空港からユニバーサル・スタジオ・ジャパンに移動し、夕方6時そこを発って、830分頃京都のホテルに着きました。車中の案内をしたのは新人のガイドさんでした。外は真っ暗で、懸命に案内下さる景色も殆ど何も見えない状況でした。それでも大浦中生徒は全員ガイドさんに注目し、或いは頷き、或いは景色を見やり熱心に耳を傾けたのだそうです。ホテルに着くやガイドさんは泣き出されました。「拙い私のガイドをこれ程までに熱心に聞いていただき最高に嬉しいです」と感極まわれたのだそうです。

 ホテルの方からも。「これ程礼儀正しく、爽やかに振舞われる生徒さんを見たことがありません。来年も是非内に来て下さい」と懇願されたのだそうです。
 これは正しく太良町教育の瑞兆だと嬉しくなってしまいました。
 私は、
61日、太良町全職員研修会の席で紹介した上で、この大浦中生の上質な振舞いの実態を具に集約し、その由来を検証していただくよう、大浦小中の先生方にお願いしました。
 
全職員研修会で紹介したもう一つは、多良小学校−平成22年度研究集録−でした。学力向上方策が3本柱の下よくシステム化されていて実に効果的であること、3年間の積み重ねの歴が明快で確実に児童の力になっていること、学力向上策が全ての教室に行渡り実績が上がっていることに感嘆しましたという話でした。
 この研究集録は先生方の“協働”がよく象徴されていて見事だと感じ、これにも平成
23年度の瑞兆を見た次第です。

2.平成22年度の胎動

平成23216日、第1回太良町教育研究大会でした。会場には、町内全中学生を真ん中に全教職員、保護者・地域の皆様が一堂に会し、太良町の“協働”をよく象徴した光景となりました。
 全員で、人気絶頂の戦場カメラマン・渡部陽一氏の「世界の子どもの声を聞こう」の講演を聞きました。太良町が標榜する「豊かな人間力形成」への強力な応援メッセージとなり、一気に豊かな人間力機運が醸成されました。

 
214日、古川康佐賀県知事が大浦中学校ICT授業を参観されました。11月の電子黒板授業研究発表会での参観者の感嘆の声を受けてのことでした。これからの教育がめざすものがはっきり見えてきたと感じました。
 平成
23423日、「多良海道をさるく会」が開催されました。太良町教育委員会では数年がかりで多良海道の整備を進めておりましたが、そのオープンを記念する行事となりました。有明海の絶景に見とれ、江戸時代を満喫し参加者に好評でした。月の引力が見える町を魅せる有明海と多良岳の自然と歴史を結ぶ「多良海道」は文化の薫り高い町づくりに重要な意味を持ってくるだろうと感じています。


3.先進的ICT利活用教育推進事業と太良町
 平成23年度、佐賀県教育委員会の目玉事業として「先進的ICT利活用教育推進事業」が始まりました。この事業は協働教育プラットホーム構築という壮大な事業ですが、先ずは致遠館中・太良町・玄海町等が連携し先進的ICT利活用教育の実証研究に取組むものです。
 具体的には、太良町では、@多良中全普通教室に電子黒板が配置され、ICT利活用授業が一気に進みます。A県ICT支援員が配置され、豊富な教材ソフト等が提供されますので授業の質が変わります。
 広くはこの事業の範疇に入るでしょうが、本年度、太良町独自で校務デジタル化にも取組みます。出席簿・通知表・指導要録と行事黒板・校務日誌のデジタル化を
4校一斉に進めます。校務の効率化を進める事業ではありますが、教職員の“協働”に大いに貢献することになるだろうと期待しています。
 本事業とは直接関係はありませんが、新生太良高校の始まりは注目に値します。不登校経験者や発達障害者等を対象に生徒募集する全国初の試み、単位制で柔軟な教育課程の提示、体験学習等ユニークな学びへの挑戦、電子黒板等ICTの積極的な導入、太良高校地域教育連絡協議会の実施など全国に情報発信するモデル校がスタートした事の意義は太良町にとっても決して小さくないと感じています。

4.平成23年度は太良町教育革命元年だ!

 私は、ここ12年、「太良町の子供達に『共生への目覚め現象』が生起し、『上質な振舞い』が見られるようになった」と言い続けています。平成23年度、この『上質な振舞い』が一層上質化し而も広く行き渡るに違いないと思っています。
 太良町においては、電子黒板をはじめICT教育環境がより整備され、授業革命が起こると考えています。そして、学習の姿が変ります。主体的且つ協働的な学習スタイルが実現します。
 一方、校務デジタル化と深く関って小中連携が確実に進展します。否、幼・小・中・高の連携に道筋ができるものと考えています。また、「小中教科部会」等を通じて教職員の“協働”が一気に進みます
 ICTや太良高校を通じて、佐賀県教育委員会と太良町の関係がより緊密なものとなります。このことの意義は極めて大きいのであり、佐賀県が全国へ情報発信するモデルの創造に貢献することになると思います。

 このような“協働”の連動により、学校と家庭・地域の結びつきが強まり、「文化の薫り高い町づくり」への大きなうねりが創り出されるだろうと考えています。
 「豊かな人間力」が普く太良町民に形成されていく、その始まりが平成23年度です。太良町教育革命元年となる記念すべき平成23年度にしたいと念願しています。


平成23年6月
太良町教育委員会教育長  陣内 碩泰

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